巻き爪の痛みに悩んでいる方は、多くおられます。
しかし実際には、どこに相談したらよいのかわからない方がほとんどではないでしょうか?
整形外科に行っても、皮膚科に行っても、あまりいい顔をされないという経験がお有りではないでしょうか?(積極的に治療を行っているところはあまりないようです。)
かくいう私も、勤務医時代、巻き爪の患者さんが来られると、さてどうしようかと頭を悩ませたものです。
従来の手術を行っても、爪を生やす細胞は非常に生命力が強いため、術後数ヶ月から数年であらぬところにまた爪が生えてくるケースもあります。
つまりたかが爪と考えて油断をしていると、文字通り足をすくわれる病気です。
また爪の正しい切り方をご存知でない方が多くおられます。白いところがほとんど無くなるくらい切られる方がおられます。これは深爪状態であり、将来、巻き爪になる可能性があります。
また、現在、巻き爪の方で爪の角を切ると、一時的に痛みは無くなりますが、爪が伸びたときに更に巻き込みより重症な巻き爪になります。そのため、巻き爪の方は、特に爪を深く切らないで下さい。
巻き爪の原因は、先の細い靴や指の傷、深爪が最も多いです。
先の細い靴を履いて爪に圧力が加わったり、指に小さな傷を作ったり、深爪をして下の組織が盛り上がってくると、容易に爪の変形が起こります。
治療法として、従来は尖っているところに綿をつめたり、とにかく切ってみたり、手術をしたりという方法がありましたが、効果が不確実でした。
そのため、日本大学の町田英一先生が、ワイヤーを使った簡便で、効果が非常に高い矯正法を考えられました。
2008年の夏に『巻き爪の特徴及び治療法』がNHKや日本経済新聞等で取り上げられ、爪にワイヤーが入っている写真を見られた方も多いと思います。
当院で行っている治療もそれと全く同じものです。
私も実際に東京の町田先生のクリニックに研修に行き、先生から貴重な症例や手技を学ばせていただきました。
このワイヤーによる矯正法は、以下の特徴があります。
ワイヤーが爪に入る余地がないと処置が出来ませんので、ある程度爪が伸びた状態で来院していただけると助かります。
1回の矯正にかかる時間は、概ね10分程度です。最終的に爪が平らに近くなるまで処置を続けますが、その期間は3ヶ月から6ヶ月です。もちろん、巻き爪の程度、爪の硬さ、厚さにより個人差はあります。通院の間隔は、1から1.5ヶ月に1回です。
治療の効果は早く出ます。痛くて足を引きずって来られた方も、処置後は、すぐに痛みがほとんど無くなり、普通に歩いて帰られます。
ワイヤーが入っている状態でも、入浴、靴、運動の制限はありません。
一度改善しても、早くて数ヶ月から数年で再発する場合があります。あまり早期に治療を中断すると、早く再発する場合が多いようです。
健康保険の適用外のため、自費診療になります。料金は以下の通りです。(税別)
初診料 | 6,000円 |
再診料 | 2,000円 |
処置料 | 1,000円/1指につき |
ワイヤー料金 | 4,000円 |
ワイヤーは、多摩メディカルという会社が販売しており、全国一律料金です。
ワイヤーは、3回から4回の処置に使え、足りなくなれば再度購入していただきます。
待ち時間を出来るだけ短縮するためにご予約にご協力お願いいたします。
症例(1)
症例(2)
ヤスリの持ち方
最後にヤスリを使って仕上げる。
ヤスリは左右から中央に向かってかけると良い。
長年の癖がありますからいきなり上の絵のようには出来ないと思います。(私もそうです)
ポイントは、深爪をしないで下さい。
また、爪の長さに関わらず、痛みがある時は一度ご相談下さい。